納豆菌で粘りは変わる?専用菌2種を比較

自家製納豆を作り続けていると「もっと粘りを強くするには、菌そのものを変えたらどうなるんだろう?」という疑問がわいてきます。

市販の納豆を種菌にするのも手軽ですが、最近はネットで手に入る「納豆専用の菌」もあります。

今回は、2種類の納豆菌を使い、同じ条件で仕込んでみました。

「豆の種類や温度管理は同じでも、菌が違うだけで糸引きに差が出るのか?」

実際に作って分かった粘りの質感や、発酵の進み具合の違いをまとめてみました。自分の好みに合った納豆菌選びの参考にしてください。

 

比較した2つの専用納豆菌

今回は、実績のある「液体タイプ」と、手軽な「粉末タイプ」の2種類を用意しました。

宮城野納豆製造所:納豆菌(液体タイプ)

大正9年創業、100年以上の歴史を持つ「宮城野納豆製造所」の納豆菌です。全国の納豆業者にも菌を供給しているメーカーで、その品質には高い信頼があります。

特徴 本格的な液体タイプ。詳しい作り方マニュアルが付属しているので、初めての方でも迷わず仕込めます。

容量の目安: 1本(50ml)で、乾燥大豆10kg分(完成品で約20kg)の納豆が作れるボリュームです

保存方法: 開封後は冷蔵庫での保管が必要ですが、歴史に裏打ちされた安定感が魅力です。

< 商品情報 >
名称:納豆製造用菌
内容量:50ml
原材料:滅菌水、納豆菌
保存方法:開封前は常温/開封後は冷蔵庫(凍結不可)

高橋祐蔵研究所:納豆素(粉末タイプ)

こちらは豆屋の店長が手掛けた、扱いやすい粉末タイプの納豆菌です。

※パッケージがリニューアルされ、現在は掲載している写真と異なるデザインになっています。

  • 特徴: 3gと少量ながら、しっかりとした納豆作りが楽しめる粉末状の菌です。こちらも詳しいマニュアルが付いています。

  • 使い勝手: 粉末なので計量がしやすく、保存も比較的シンプルです。

  • 原材料: 納豆菌に加えて、扱いやすくするための乳糖が含まれています。

< 商品情報 >
名称:粉末納豆素
内容量:3g
原材料:乳糖、納豆菌
消費期限:約1年

納豆菌による粘りと香りの違いを検証

同じ大豆、同じ温度設定で仕込んでも、使う菌の種類によって仕上がりにはっきりとした個性が表れました。ここでは、特に違いが顕著だった「糸引きの質感」と「発酵時の香り」の2点に注目して比較します。

糸引きの「強さと持続性」を比べる

納豆の最大の魅力である粘りについて、かき混ぜた際の手応えや、糸の引き方を観察しました。

    • 宮城野納豆菌(液体): 混ぜ始めてすぐに透明感のある細い糸が白い泡状の粘りに変化し、どこまでも伸びるような、粘りの「力強さ」が印象的です。冷蔵庫で寝かせた後も、糸の弾力がしっかり維持されていました。

  • 粉末納豆素(粉末): 液体タイプに比べると、さらっとした表面に細い糸引きが印象的です。混ぜるほどにきめ細かなコシのある粘りに変化していきます。粘り自体は十分ですが、糸引き際がスッと切れる繊細な仕上がりです。

発酵段階での「香りの変化」を確認

次に、発酵中から完成後にかけての香りの質をチェックしました。

宮城野納豆菌(液体)

  • 香り: 昔ながらの納豆らしい、大豆の甘みを引き立てる香ばしさが際立ちます。雑味が少なく、いわゆる「納豆臭さ」が抑えられた豊かな香りです。

  • 粘り: 濃厚なネバネバ感を堪能したい、とにかく粘り重視という場合に向いています。

納豆素(粉末)

  • 香り: 比較的マイルドで、納豆特有の香りが控えめな印象です。納豆が苦手な方でも食べやすい、穏やかな香りに落ち着きます。

  • 粘り: 糸引きは上品で、きれいに食べられます。扱いやすさを重視する場合に向いています。

しっかりとしたコクと強い粘りを楽しみたいなら「宮城野納豆菌」、マイルドな香りで上品に仕上げたい、あるいは扱いやすさを求めるなら「粉末納豆素」を選ぶのがおすすめです。

まとめ|納豆菌の種類で粘りや香りに違いが出る

今回、2種類の納豆菌を同じ条件で比較してみると、納豆菌の種類によって、粘りの強さや糸の質感、香りに違いが出ることがわかりました。

宮城野納豆菌は、力強い糸引きと香ばしさのある仕上がり。一方、粉末の「納豆素」は、比較的マイルドで扱いやすい仕上がりになりました。

粉末納豆素は、高橋祐蔵研究所の納豆菌として知られ、「高橋菌」と呼ばれることもあります。納豆菌を選ぶときは、単に粘りの強さだけでなく、香りや粘りの質感、作りやすさなど、自分がどんな納豆を作りたいかで選ぶのもひとつの方法です。

実際に2種類を作り比べてみることで、それぞれの納豆菌の個性を感じることができました。自家製納豆で「もっと粘りを強くしたい」「違う納豆菌も試してみたい」という方は、納豆菌の種類を変えて仕上がりを比べてみるのも面白いと思います。

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